グラノロの世界

ダイスと押出成形

押出成形は生地作りの次の工程で、ダイスというのはセモリナ粉の練り生地に形を作る部品のことです。お店で購入するパスタの形は様々なダイスを使って作られるのです。同時に、ダイスはまさに技の見せ所でもあります。というのも、パスタの形だけでなく、形ごとのパスタの厚みやグルテンの生成量や密度など、ダイスはパスタの特性を大きく左右するからです。

グルテンはデュラムセモリナ粉が含むたんぱく質の中で最も大切で、グルテンによって茹でられたパスタの硬度と弾力性、つまりパスタが俗にいう“アルデンテ”であるかどうかが決まります。

一つ一つの種類のパスタに決まった形のダイスがあるわけですが、グラノロのダイスはアッティリオのアイデアによって作られています。ダイスの形は、パスタの大きさや形、使用されるデュラム小麦の種類などによって、それぞれ適切な茹で時間で正確に茹でられる厚みを出すように考えられています。

グラノロパスタに使われるダイスはテフロン製か真鍮製です。どちらの素材を使うかはそれぞれのパスタのどんな個性(色、正確性、あるいは空孔率と粗度)を最も重視するかによって決まります。

グラノロでは150種以上もの多様な形のパスタを生産しています。例えばクラシックパスタ、セモリナ粉特製パスタ、特製卵パスタ、ホウレン草パスタ、アッティリオ・スペシャルパスタ、焦がし小麦のパスタ、ヘルシーパスタ、またオーガニック全粒粉パスタ、デュラムセモリナ粉と大麦のクオレ・ミオ・パスタ、さらにデリケート・パスタシリーズは上質なプーリア産の原材料のみで作られたプーリアを象徴するパスタで、品質と原産地が保証されています。これはグラノロとプーリアの農家と製粉所の協力の下に生まれたパスタです。

グラノロがパスタの正確な厚みにここまでこだわる理由

生地から様々な形のパスタを生産するためのダイスはグラノロ独自のデザインで作られます。その際、茹で時間が長くなりすぎないようにパスタの厚みは正確に計算されています。

グラノロは一つ一つの種類のパスタについて、直径、形状と適正な茹で時間をベースに最適な厚みを求めて研究を重ねてきました。同じ種類のパスタでも製麺会社によって厚みは様々で、そうなると茹で時間も当然異なるわけですが、これはそれぞれの製麺会社が独自

の生産基準に合わせた結果なのです。

厚みがあって茹で時間が長くかかるパスタを生産するダイスを使うことも可能ですが、グラノロは常に茹で時間が短くてすむ形のパスタを選んできました。理由は、茹で後“アルデンテ”だと錯覚しがちになる厚みのあるパスタは、実は生のまま残っている部分があるからだと考えるからです。さらに、厚みのあるパスタには次のような欠点もあります。

茹で時間が長くなりすぎると茹で汁の中にデンプン質や栄養素が溶け出し、茹で汁が濁る。
パスタにぬるぬる感と粉っぽさが出る。
茹でるのに時間がかかる。
ガスの消費量が増える。

グラノロにとって、良質なパスタとは“最適”な厚みを持つものでなければなく、最適な厚みのパスタだからこそ、一粒一粒、あるいは一本一本のパスタに茹で残りがなく、形ごとに、内側も外側も均質に、最適な時間で茹でることができるのです。パスタの質が良ければ、その厚みとは関係なく、茹で後何時間たってもコシと弾力性が保たれるものなのです。